俺、チョコはいらない。



こっちって……?


私が疑問に思っていると、橙也に顎を手で持ち上げられた。


目を細めて笑った橙也は、親指の腹で私の唇を撫でる。


え、唇……?


そう思ったときには、橙也に唇を奪われていた。


「とう、や……んっ」


ここが外だということも忘れて、吐息ごと重ねるように唇が何度も合わさる。


「舞衣とのキス、すっげー甘くてやみつきになりそう」


橙也との初めてのキスは、チョコレートケーキよりも甘かった。


「好きだよ、舞衣」

「私もだよ、橙也」

「これからたくさん愛してやるから、覚悟してて」



───『チョコはいらない』と橙也が言っているのを聞いてしまったときは、どうなるのかと思ったけれど。


年に一度のバレンタイン。


橙也と、無事に両想いになることができました。



【END】