「いいやあるよ。だって私、今の段階で二度も菊池伊月の優しさに助けられてるから」
「二度?」
「そう。さっき言ってくれた意味は私のせいじゃないから謝る必要はないってことでしょ?」
あまりにも言葉足らずだったから理解するのに時間はかかってしまったけれど。
「.....別にそういう意味で言ったんじゃない」
嘘だ、きっと照れ隠し。
「私はそう受け取ったからいいの。あなたの優しさとして受け取ったから」
これは受け取ったもの勝ちでしょ?
その人にその気がないとしても、受け取った人が優しさだと思えばそれは優しさなんだ。
「二度目は....これ」
返そうと思ってポケットに入れていた生徒手帳を取り出して、目の前の彼に差し出す。
私が彼の優しさを確信できた大事なもの。



