リビングを通り過ぎて”AKANE”と書かれたプレートがかけてある部屋に入る。
朝散らかったままだったはずの部屋は綺麗に片付いている。
きっとお父さんが片付けてくれたのだろうと察しつつ荷物を置いて、すぐに部屋を出る。
リビングに戻るとラップされていた料理は全て温められていて、さも今作られたような感じだ。
きっともっと前から作ってくれていたのに。
これもお父さんの言わない優しさなんだ。
私が席に着くと向かい合ってお父さんも席に着く。
「「いただきます」」
並べられている料理はどれもおいしそうで、何から手を付けたらいいか迷ってしまう。
それでも目の前にあるからあげを手に取っていただく。
揚げ物だって作るの大変なはずなのに、絶対にお惣菜ではなく手作り。
あの日から今まで家で手料理じゃない食事は食べたことがないかもしれない。



