よいしょっと、、
かがんで隙間からそれを抜き取ると、どうやら生徒手帳みたいだった。
ここの学校の生徒手帳は小さいサイズの手帳型になっているから落としやすいんだよね。
「....菊池伊月」
中を見ると先ほどまで思い浮かんでいた人物の名前が記載されていた。
彼の生徒手帳がこんな隙間に落ちているということは、黒板掃除をしてくれたという証明に他ならない。
普通に帰るだけならこんな黒板の近くに落としたりはしない。
ここに落としたのは黒板掃除をしてくれていた時に、胸元からするっと落ちたと考えるのが自然だ。
「素直じゃないなぁ」
思わず笑みがこぼれてしまった。
きっと私が起きる前から教室にいて起こさないようにしてくれていた。
それでいて黒板掃除もやってくれていたけど、言わなかったのはきっと彼の優しさ。



