隠れオオカミくんに溺愛されてます!?




まさかこの1学期終わりにタイミングで、もうすぐ夏休みに入ろうという時にクラスメイトから名前を聞かれるとは思わなかったよ。



いや覚えられていないとは思っていたけど、実際に聞かれると何ともいえない気持ちになる。



それでも名前を聞いてくれただけで興味を持ってくれたと思うから、一歩前進なのか…?



「二度目の初めましてみたいになるけど。奈良橋朱音。よろしくね」



入学式の日は菊池伊月もいた気がするけど、席で寝ていた可能性もあるな。



ちょうど菊池伊月の席は廊下側の1番後ろでいてもいなくても気づきにくい場所。



「奈良橋朱音ね。どーも。それじゃあ」



彼は名前だけ聞くと鞄を背負って、教室の扉方向へ歩いていった。



「あっ、菊池伊月。たまには教室に来たら?」



余計なお世話だと思ったけど伝えた言葉は、彼に届いたのか分からず何も発されることなく出ていった。