その瞳はどこか寂しそうに見えた。
たった1冊の本でこんなにも彼の表情が見れることが不思議だった。
それだけ....彼にとってこの本は想いが深いものなのだと。
何があったのか、どれだけの想いなのか私には聞く資格はないと思う。
だからこそこれ以上、踏み込むことはよそうと決め話題を変えることにした。
「その本、英語で書かれてるよね?伊月、英語が得意なの?」
「それなりにね」
「意外だ...。話すことも書くこともできるの?」
「昔、外国に住んでたことがあったからね」
「嘘!?めちゃくちゃすごいね!」
またまた意外な事実を知ってしまった。
「どこに国に住んでたの?」
「オーストラリア。数年間だけだけどね」
「それってカンガルーとかコアラがいるところでしょ!?いいなぁ」
私なんてまだ日本から出たことないから、パスポートすら持ってないよ。



