それから卵焼き以外のおかずも食べてくれて、安心した。
やっぱりお腹が空いていたんだろうな。
でももちろん全部食べるわけじゃなくて、残った分は私が完食した。
「朱音のお父さん、すごいね。あんな美味しいものが作れるなんて」
「ありがとう。最初は全然作れなかったけどね、ずっと1人で努力してたんだと思う」
お母さんがいる時は、キッチンに立つことすらなかった。
だけどいつの間にかお父さんの料理の腕はかなり上達していて、びっくりした記憶がある。
「きっと朱音のために、頑張ったんだろうね。お父さん、良い人だね」
「..........!」
───なぜ、その言葉がスッと私の胸に入って来たのかは分からない。
ただ彼の言葉を聞いて、自然と涙が流れてきた。
それに気づいたのは頬が濡れている部分を自分で触ったから。



