伊月にお弁当を差し出すと、興味深そうにそれを見つめていた。
「めちゃくちゃおいしそうだな。朱音が作ったの?」
「ううん。それは私のお父さんが作ったの」
「....へぇ。父親が作るなんて、器用なんだね」
「めちゃくちゃ頑張ってたからね。それ全部手作りだから、どれもおいしいよ」
「これ全部....?すごいな」
改めてまじまじとお弁当を見つめる彼は、かなり驚いているっぽい。
まぁ普通はお父さんがこんな女子力全開みたいなお弁当を作るとは思えないかもね。
「ちなみに私のおすすめは卵焼き。隠し味が入ってるから、普通のとは一味違うよ」
「そうなんだ。じゃあもらおうかな」
手でつまんでお弁当から卵焼きをとって、口に運ぶ。
おいしかった?と聞こうと思ったけど、彼の表情から見て満足してくれているのだと分かったから聞かなかった。



