「お父さん私ね、お母さんのことを想って無理して薬学部を希望しているわけじゃないよ」
きっと、お父さんはこう思っているんだ。
私が薬学部を選んだのは、お母さんが亡くなった時のことを引きずっているからじゃないかと。
「確かにきっかけはお母さんのことがあったから。でも、そのおかげで自分のやりたいことが見つかって決めたの」
お母さんは病気が完治することなく、天国へ旅立ってしまった。
でも担当医だった先生含めて、看護師さんも含めて色んな人が手を尽くしてくれた。
亡くなった時はもちろん悲しかったけど、誰も恨んだりなんてしなかった。
「お父さんの考えなんてお見通しってわけね」
「だってお父さんの娘だよ?なめてもらっちゃ困るなぁ」
お父さんの気持ちが何もわからない子どもの私じゃないから。



