「もう夏が終わっちゃうね」
「本当だね。あっという間すぎてびっくりするよ」
久々に妃沙と一緒に帰れるということで、私のテンションは上がっていた。
お互いに忙しくなってきたから、一緒に帰ることが難しい日も増えてきていた。
「今年の夏休みは勉強で終わっちゃったな。残念」
「でも、部活の引退もあったんじゃないの?」
「まぁね。涙の引退式を終えてきたよ」
「妃沙、泣いたの?」
「そうだけど...。何その意外な反応」
「だって、妃沙が泣く姿なんて想像ができないから」
私が出会ってから妃沙が泣いている姿を見たことはない。
いつも明るくて素敵な笑顔で、私を癒してくれて元気を与えてくれる姿しか見たことない。
今でもこれだけかわいいから泣いている姿もかわいいんだろうなと想像するのは不謹慎かな。
「泣くつもりはなかったんだけどね。今までのことを思いだしたら自然と涙が出てきたの」



