”何かあれば呼んでくれていいから”
彼がそう言ったのはこういうことだったの?
今まで私とは繋がっていなかったはずの彼の名前がそこには表示されていた。
”菊池伊月 トーク画面”
何度見てもその言葉は間違いなく、表示されていた。
私が寝ていた間にどうやら連絡先を交換されていたらしい。
彼を呼ぶ手段なんてないのにと言おうと思っていた言葉は、彼の先回りによって阻止された。
これは返信を求めてないのかもしれないけど、ただ”ありがとう”というご文字だけ送った。
今回のこともそうだけど今までだって何度も助けてもらったから。
別に既読無視されたってかまわない。
ただ感謝の気持ちを伝えたいと思っただけだから。
今度こそスマホの明かりを消して、枕元に置く。
彼に教えてもらったコツを意識しつつ、目を閉じるとすぐに意識が落ちた。



