「.....バカ」
そうつぶやいた声は、誰にも届いていない。
さっき手を振った時に制服の隙間から見えてしまった、包帯が巻かれた部分。
きっと七分丈にしていた制服からは見えない部分だったはずだけど、偶然見えてしまった。
あんなところ普通なら怪我をする場所じゃない。
それにあの包帯の巻き方はかなり雑だったから、おそらく彼自身が自分で巻いたもの。
私が階段から落ちた時、来るはずの衝撃が来なくて最後温もりに包まれて意識を失った。
あれはきっと幻なんかじゃない。
おそらく誰かが私の下敷きになって、かばってくれたから今も痛みがないんだ。
誰かなんて分からなかったけど、彼の腕の怪我を見た時にピンときた。
あの位置での腕の怪我....かばって倒れた時に強打して痛めたんじゃないかって。



