「...そう。ありがと」
素直にお礼を言う。
でも菊池伊月が来てくれたのはそれだけの理由じゃないと思う。
それだけのために彼が来てくれるとは思えないし、生徒だったらもう帰ってる時間じゃないの?
だって今日はテスト最終日で午前中にはすべての生徒が終わって帰っているはず。
今日はどこの部活もないはずで、テストが終わり次第帰宅するように言われていたから。
「体調はよくなった?」
「まだ頭痛いけど、大丈夫だよ。だいぶすっきりとしたから」
久しぶりに深く眠れた気がした。
最近はずっと寝ているはずなのに、どこか起きているような気がして。
眠りが浅いというか、眠っているはずなのに眠っている感覚がしなかった。
「それ大丈夫って言わないから。時間気にしなくていいらしいから、まだ寝てたら?」
思いのほか優しい言葉が降ってきて、少しだけ動揺してしまった。



