ダルい体を起こして、準備をして教室を出る。
廊下に出ると暑い空気が一気にまとわりついてきて、さらに体が重くなった気がする。
「.....はぁ」
思わずため息が漏れるのは仕方ないことだと思う。
下駄箱に向かうために階段を下りている時だった。
「....!?」
いきなり頭がクラっとして、目の前の景色が何重にも見えた。
一瞬自分の立ち位置が分からなくなって、気づいた瞬間には重力によって下に落ちている感覚がした。
階段を踏み外したと気づいた時には、もう止めることができなくなっていた。
とりあえずギュッと目をつぶって、次に来る衝撃に備える。
落ちている時間の長さは分からないけれど、誰かの悲鳴が聞こえた瞬間、痛みではなく温もりが伝わってきた。
床の硬さとは違う人の体温のような柔らかい温もり。
目を開けたかったけど、瞼が重くて開けられず意識は薄れていった───。



