足を引っ張っていることは自覚しているけど、数学だけはスラスラ解けるようになる気がしない。
もう公式を覚えて基礎問題を解くのだけで精一杯。
「正解だ。さすが奈良橋だな!」
「....っ、ありがとうございます」
いつのまにか思いの外、近い距離にいた曽野先生に驚く。
さっきまでそこにいたはずなのに、なんでこんなに近くにいるの?
とにかくそそくさと教壇を降りて、自分の席へ戻る。
変な汗をかいた気がするけど気にしない。
さすがに同じ授業で2度もあたることはないだろうし、聞いてる風にしよう。
分からないところは終わった後に妃沙に聞けばいいし。
さすがに堂々と寝ることはしないけど、授業の内容は何も頭に入ってきてない。
だって聞いていても分からないし、余計に混乱するだけだと学んだから。



