「菊池伊月はなんで私の名前を出したの?」
そんなに七五三掛くんに話したい内容があったのだろうか?
「面白いクラスメイトに会ったって。こんな俺にまっすぐぶつかってくる頑固者の女の子がいると」
彼のその言葉を聞いた途端、あの日の会話を思い出した。
“頑固者の奈良橋で覚えておいてください”
この言葉はどうやらしっかり、菊池伊月の心に刻まれているらしい。
まぁでも名前を覚えてくれてるだけでも一歩前進かな。
....私が頑固なのも事実だしね。
「伊月がそんなこと言うなんてびっくりしたから、今日こうやって会いにきたんだ。奈良橋さんに」
「そうだったんだね」
わざわざ会いに来てくれた人を無視して、お弁当を食べていた自分に改めて後悔が募る。
あの瞬間をやり直せるなら絶対に無視せずに話しかけられた時点で返事をするのに。



