「クラウディオ、ナタリア、ヨハン、一花、これを見てくれ……」

リティクが差し出した爆弾には、蝶の絵が描かれている。今回描かれていたのは、モンキアゲハだ。公安や捜査機関が何度も目にした蝶の絵である。

だが、その絵を見た刹那、一花たちの目は大きく見開かれた。ヨハンの口から「信じられねぇ……」と言う言葉が飛び出す。

「どういうことですか?」

十が訊ねると、一花はその大きな瞳を潤ませながら言う。その声は震えていた。

「……この絵、ミンジュンが描いたものです!間違いありません!私たちによく描いてくれた絵と同じです!」

ミンジュンとは、かつてeagleにいた麻酔科医だ。まさかの展開に、桜士と十は言葉を失った。