【side翔葉】

《明日は悪いが、神菜のボディーガード的なものを頼む。》

「……は?」

 俺は思わず、拍子抜けしたような声を漏らしてしまった。

 そりゃそうだ、急に新からそう言われたんだから。

 いやいや、ちょっと待て。

「新、お前本気で言ってんのか? 俺、一応あいつ狙ってる男なんだぞ?」

 お前、そんな易々とそう言っていいと思ってんのか?

 まぁ俺としては好都合だし、嬉しい事この上ないが……一体何があったんだよ。

「つーか、嫌々オーラが駄々漏れなんだよ。そんなに嫌そうにするなら、そんな馬鹿みたいな事言うなよな。」

《……仕方ないんだ、急に親父から仕事貰ったんだよ。だから、明日一日だけは本邸に戻る。》

「それでどうしたら俺に頼む事になんだよ。」

《俺がいない間、神菜に接触するような輩が現れるかもしれないだろーが。それを踏まえて、お前に神菜を護衛してほしい。》

 ……うわ、めっちゃ黒いオーラヤバい。

 電話越しでも分かるくらいの嫉妬と独占欲って……新、どんだけ元宮のこと溺愛してんだよ。