最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 それに……申し訳ない。

 私の為だけに皆さんにこれだけの労力をかけてしまって……こんなに豪勢な誕生日、初めてだ。

「何も言わずにつれてきてしまったのは申し訳ないと思っている。だが……こいつらがどうしても、神菜の誕生日を祝いたいって言ってて聞かなかったんだ。驚かせて悪い。」

「いえ……私は全然……。ただ、こんな風に祝ってもらったの、初めてだったので……。」

 上手に言葉にできずに、口ごもる。

 両親と離れて暮らすようになってから、祝われる事自体がなくなった。

 友達もいなくて、一人ぼっちでずっと過ごしていた。

 だから余計に、感動がかさを増している。

 ……泣いちゃダメだって、分かっているけど。

「皆さん、優しすぎます……っ。何でそんな、優しいんですかっ……。」

「か、神菜……!?」

 私が急に泣き出したせいで、その場の全員がぎょっと目を見開いている。

 だけど、今の私は涙を止められなかった。

 今まで両親以外には邪険にされて生きてきたから、こんな風に祝ってくれる友達ができるなんて思ってなかった。