さっき先輩に撫でられた頭を自分でも撫でてみて、また笑みを浮かべる。

「皐月~? そろそろみんなが勉強再会するって言ってるけどー……って、何でニヤニヤしてるの? それに、神菜ちゃんは?」

「……何でもないよめい。それと、先輩はもう帰ったよ。」

「えぇ~。めい、もっと神菜ちゃんと居たかった~!」

「はいはい。来ないと置いてくよ。」

「もう、待ってってば皐月ー!」

 めいが後ろから急いで来る。

 早く表情筋、元に戻さなきゃ。

 教室に戻るまでに戻さなきゃ、あいつらに怪しまれる。

 そうは思うけど、緩み切った表情筋はなかなか治りそうになかった。