最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「え……!? いや、別に何でもないんだ……!? そう、何でも……」

「それがあるんだよ。こいつ、何でかお前の誕生日知ってたんだぞ。」

「そ、そうなんですか……?」

 もごもごと言い淀んでいる風羽さんの代わりに言ったのは、苦笑している咲空さん。

 その言葉に、やっぱり疑問に思う。

 どうして風羽さんが、私の誕生日を言っていたんだろうか。

 うーん、謎だ。

 考えても私の拙い頭では思いつかず、まぁいいかと割り切る。

 もしかすると、テレビ出演した時にぽろっと言った事があるのかもしれないし……。

 それだったら、忘れていてもおかしくない。もうずっと前の事だもん。

 ……ふぅ、やっと現状を理解する事ができた気がする。

 まだ少し混乱してしまっているけど、何となくは掴めた。

 みんな、私のこと祝ってくれてるんだ……。

 よく見てみると、いつもシックな雰囲気が漂っているAnarchy室は一変、たくさんの飾りが施されていてポップに仕上がっている。

 これを準備するのにどれだけの時間がかかったんだろう。そう考えるのは、途方にくれちゃいそうだ。