最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「皐月君こんにちはっ。」

「おーい皐月~! 早く勉強教えてくれ~!」

 皐月君に軽く会釈したと同時に、教室内からそんな声が飛んでくる。

 勉強……もしかして、みんなでお勉強会でもしてるのかな?

 だったら私なんかに構わず、早く戻ってあげたほうが良いんじゃないだろうか。

 私はそう思ったけど、意外にも皐月君はそうではないらしく。

「僕は抜ける。ちょっと話したい人ができたから。」

「えぇー! 皐月おねがーい!」

「俺らの成績が落ちてもいいのかよー!」

「だって、別に僕には関係ないし。」

「この薄情者ー!」

 ……皐月君、こんな冷徹な人だったっけ?

 私が知ってる限りの皐月君は、優しくて気遣いができる子だったはず……だけど。

 別の人と居る時は、こんな感じなのかな……?

「さ、先輩。一緒にお話ししましょうっ! この前の誕生日パーティーでは、碌に話もできなかったので。」

「で、でも皐月君呼ばれてるよ……?」

 控えめにそう言ってみるけど、皐月君は一瞬だけ視線を教室内に移してから。