最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「怒ってますよね……私が、こうなっちゃったの……。」

「……まぁ、な。」

 苦い顔をして、小さく呟かれた言葉。

 ううっ、そうですよねっ。やっぱり怒りますよねっ……。

 でも新さんはおもむろに、私を引き寄せた。

「だがお前には怒ってない。……ただ俺が怒ってんのは、神菜をこんな姿にした野郎に、だ。」

「……へっ?」

 私には、怒ってないの……?

 えっ、でも私はっ……。

「私がぼんやりしてたからこうなっちゃっただけなんです……。だから、これは私のせいで――」

「違う。断じてお前のせいじゃない。」

 はっきりと、そう否定してくれた新さん。

 そんな新さんに思わず、後ろめたい気持ちが表れた。

「本当にごめんなさい……。猫になっちゃったのはとっても災難なんですけど、私この状況結構楽しんじゃってます……。」

 そう、思いの外楽しい。

 楽しんじゃダメなのは重々承知だけど、時々「動物になってみたいっ!」と思う事があった。

 だから今回、願いが叶ってちょっと浮かれてたりする。