バタン、と勢いよく部屋の扉を閉めた新さん。

 うっ……やっぱり、怒ってるよね……。

 新さんの部屋まで連れてこられ、無言のままソファに座らせられる。

 ……そして沈黙が、広がった。

 何を言えば、いいんだろう……。

 そう迷ってしまったけど、まず最初は……。

「ご、ごめんなさい新さん……。私、こんな姿になっちゃって……。」

 今でも猫耳と尻尾は消えてくれない。

 肉球がついてないだけマシだと思いたいけど、私がヘマしたのは本当の事だから。

 だから、咎められても文句は言えないっ……。

 新さんには怒られたくなかったけど、元はと言えば私のせい。

 怒るなら、もう遠慮なく怒っちゃってくださいっ……!

 ぎゅっと目を瞑って、新さんの言葉を待つ。

「謝るな。」

 ……だけど身構えていた私に聞こえたのは、そんな優しい言葉だった。

 謝るな……って、それは流石に無責任だ。

 私がもっと警戒していれば、勘が働いていればこんな事になっていなかったかもしれない。

 それに、新さんがこういうって事はやっぱり……。