最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 とりあえず首を縦に振って、恐る恐るドアノブに手をかける。

 そのまま私は意を決して、ゆっくりと豪勢なAnarchy室の扉を開く。

 いったい、何があるんだろう。

 ……不思議に思った、その時だった。

「「「神菜、誕生日おめでとうっ!!!」」」

「…………へっ?」

 パーン!とクラッカーの音がたくさん鳴り響き、呆気に取られてしまう。

 た、誕生日……?

 しかもここにはよく見てみると、Anarchyのみんなだけじゃなくて、Zenithや生徒会の皆さんもいた。

 それに関しても驚いてしまい、ぽかんとして体が硬直する。

 でも直後に、はっと思い出した。

「あっ……そっか、私今日誕生日……。」

 7月31日。

 やっとこの日が何を指しているのかが、はっきり分かった。

 一人暮らしを始めてからは、両親とほとんど連絡を取っていない。

 だから、誕生日を祝われる事もなかった。

 もちろん、自分自身で祝うなんて事も。

 それでも尚呆然としてしまう私に、不思議そうな顔をしながら明李君が駆け寄ってきた。