最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「そーだそーだ!」

 獣族の戌待と夜目は戦えない代わりに、Anarchy室以外に被害が出ないよう結界を張っている。

 ……獣族って結界張れたんだなぁ。

 そういえば観心は……?と思い、そっちのほうに意識を向ける。

 ……うわ、怖すぎ。

 すると……鬼の形相で睨んでいる観心と、目が合ってしまった。

「空衣さんがちゃんと確認しなかったのが悪い! 僕たちはそんな空衣さんに制裁を与えてるだけなんです! さっさと倒れてください!」

 かつて、こんな生意気を言う観心は居ただろうか。

 ……ううん、居なかった。

 そう思いながら攻撃を避けて、当たらないように努める。

 その時、視界がぐにゃっと曲がった。

 ……これ、観心の能力か。

 観心はさとり族。心を読めるのと、相手に幻覚を見せるのもできる。

 妨害としてはこれ以上ないくらい、優秀な人材だ。

 けどその能力は力を多く使う故、あまり連続使用はできないらしい。

 それでも惜しみなく使ってきているという事は、それほどまでに頭に来ているという事だろう。