最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 これ……言いにくいなぁ……。

 いや、正直に言ったほうが絶対に良い。それは分かってる。

 だけどこんな……今にも戦争が起きそうな空気感で言えるくらい、口は軽くないと自負している。

 神菜には悪いけど、ここではぐらかせれば……。

 一瞬そんな邪な考えがよぎり、とりあえずはそれで乗り切ろうと頑張ってみようとする。

「あれ? それ、確か天が持ってきたものじゃなかった……?」

 でも、それは無理だった。

 隠し通せなかった、って言ったほうが正しいか。

 何気ない世妖の言葉に、その場にいた全員の動きが止まる。

 もちろん、僕の動きも。

 まぁ、それはみんなとは別の意味だろうけど……。

 きっと、ここにいる僕と世妖以外の考える事は一緒だろう。

「空衣……っ、お前だったのかぁぁぁ!!!」

 大きな怒りを含んだ来栖の言葉が響き渡り、瞬間魔術が飛んでくる。

「……痛ったぁ。」

 急いで守り態勢に入ったからいいものの、少しだけ掠ってしまった。

 普段の来栖なら、何とか勝てるレベルだ。