【side神菜】

 よし、服装も準備もこんなものでいいかな?

 姿見の前で自分の髪を撫でながら、意気込んでそう思う。

 今日は、新さんの実家にお邪魔させてもらう日だ。

 金曜日だから、土曜日、日曜日、祝日の月曜日までお邪魔するつもり。

 だけど……びっくりした。

『俺の実家に来てくれないか?』

 2週間前に何の前触れもなくそう言われたものだから、正直あんまり心の準備ができていない。

 新さんのお家にお邪魔するって事は、新さんのご両親にも会う事があるはず。

 まだ完全に、自分に自信が持てていない。

 今でも時々考えてしまう。自分が新さんの隣に居てもいいんだろうか、新さんみたいな素敵な人の彼女として恥じない行動ができているのか。

 他にも色々、考えずにはいられない。

 少し心配だったからその旨を今日、学園に居る時にみんなに相談してみたんだ。

 でもみんなは優しいから、たくさん肯定的な意見を言ってくれて。

『神菜だったら大丈夫だろ。礼儀も良いし、愛嬌あるし、何より新さんがあれだけ溺愛してるんだし。』