最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 新さんに握られている手を見つめながら、悶々と考える。

 新さんの思考回路を分かっているわけじゃないから、何とも言えない。

 隠してる事があるのは確かだと思うけど、それが何なのか。

 歩きながら一人でぼんやり考える。

 だけどその時、新さんが歩いていた足を止めた。

 その拍子に、私も立ち止まる。

「着いたぞ。」

「Anarchy、室……?」

 私にそう言って笑いかけてくれる新さんに、疑問が増える。

 どうして、Anarchy室に?

 何か用があるのかな、とも思ったけど、それだけだったら私を連れてくるのか。

 やっぱり意味が分からなくて、首を傾げてしまう。

「神菜、開けてくれ。」

「へっ? 私が、ですか?」

「そうだ。」

 おもむろに発せられた言葉に、えっと声に出す。

 いつもなら、こんな事言わないのに……。

 私に開けてと言ってくる事例がないから、一瞬どうすればいいか分からなくなる。

 でも開けてと言われているのなら、開けたほうが良いんだと思う。

「わ、分かりました。」