【side神菜】

「はぁ……。」

 私は夏休みももう数日で終わるというある日、一人部屋でため息を吐き出していた。

 理由は、やっぱり……。

「新さん、お仕事だもんね……仕方ない、よね。」

 ……最近全然、新さんと会えていない事。

 一度も会わない日はないけど、ここずっと会えたとしてもほんの数十分だけだ。

 新さんは神々の御曹司。だから、お仕事が多忙なのは仕方がないって割り切って入るんだけど……。

 それでも寂しいものは寂しくて、ちょっとだけ泣きそうになっていた。

 私、こんなにも重たい女だったんだ……。

 新さんと会うまで自分は何の特徴もない平凡女子だと思っていたけど、私は想定していたよりも重たい感情を抱いているみたいで。

 毎日会えているのにこう思うなんて、呆れられちゃうかな。

 重たいって、面倒って言われちゃいそうで……少し怖い。

 新さんがそんな事言うはずないって信じているけど、万が一があったら。

 ……それに、一人で居ると思い出してしまう。政府に居た時を。