最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 パタン、と小さな音が響いた後に僕は後悔した。

 ……呼び止めておけば、よかったな。

 一瞬そう思ったけど、多分神菜の気分を害する事になる。そんな感じがしてならなかった。



 どうやら妖精族は、正しい対処さえすれば治りが早いらしい。

 神菜に軽い看病をしてもらってから3時間ほど経った後で、それに初めて気付いた。

 神菜のおかげで体調もゆっくりだけど回復してきていて、体を起こせるくらいにはなっていた。

 まぁ、まだ万全の状態ってわけじゃないけど。

 それでも会話をするくらいの元気は出てきたから、僕はあるものを取り出した。

 ずっとクローゼットに隠していた、一枚のしおり。

 スミレの花弁で彩られているそれは、いつかの思いでのものだった。

 このしおりを持って、もう一度ベッドに戻る。

 ベッドサイドテーブルにしおりを置いたところで、コンコンと再びドアがノックされた。

「風羽さん、入っても大丈夫ですか……?」

「うん、いいよ。」

 尋ねる声に返事をすると、丁寧に開かれた扉。