最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 父さんも母さんも、仕事で不在。

 かろうじて使用人は居るも、それは嫌だった。

 知らない奴の慰めなんていらなかった。

 ……ただただ僕は、家族の温もりが欲しかっただけ。

『風羽……ごめんなさい。』

 母さんは仕事から帰ってきて決まって、僕にそう言ってくる。

 何でもない日も、今日みたいに体調が悪い日も、仕事で遅くなっていた時だって。

 けど、父さんは僕に関心がないだろう。父さんとの思い出なんて、片手で数えるほどしかないんだから。

 それが僕にとって、どれだけ寂しく虚しいものだったのか。

 きっと分かってくれない。僕は次期妖精族長としてしか、見られていないんだから。

 本当は、かりそめの愛でいいから欲しかったけど――……。

 ……コンコン

「……?」

 ぼんやり働かない頭で、動かない体で、ベッドの上でうなされているとノックが聞こえた。

 だけど、起き上がる事ができない。

「だ、れ……?」

 せめて反応だけはしようと振り絞ると、まさかそれが聞こえたのか。

 扉の目の前で焦ったような話し声が聞こえたと思いきや、その扉が勢いよく開いた。