最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

【side天】

 御曹司に求められるもの、それは何と言っても立ち居振る舞い。

 それができれば、腹の中で何を思っていてもいい。

「皆様、今日はようこそお越しくださいまして、誠にありがとうございます。」

 もう慣れたようにスラスラ口から出る言葉に、感謝なんてこれっぽちもない。

 感情を込めるだけ無駄だし、なら機械的に言っておけばいい。

 ……僕はそういう人間だ。

「まず、我が空衣財閥と取引を結んでくださった神々様。並びに来賓の方々に感謝を申し上げます。――」

 それ以降、何にも面白みのない挨拶をただ淡々としていく。

 そうするだけで、僕の株は上がるんだからこの世は残酷だと感じる。

 金持ちは僕含めて、何を考えているか分からない。偏見かもしれないけど、少なくとも僕はそう思っている。

 だからだろう、上辺の会話がキーになってくる。

 僕はこの業界に長く居座っているから顔も知られているし、悪いレッテルは貼られていないと知っている。

 ……けど、この業界はどれだけ他と差をつけられるか。それを分かって運営し、やっていかないとすぐにダメになる。