『…………え? わ、私に……?』

 言われた事が一瞬分からなくて、天さんに訴えた。どういう意味か、って。

 すると天さんは小さく口角を上げ、上品な笑みでこう返してきた。

『うん。神々だけ参加予定にしてたんだけど、せっかくなら神菜もどうかな~ってさ。神々の恋人だったら社交界にも顔を出さなきゃならなくなるし……良い機会だと思わない?』



 今日の私の服装は、新さんが直々に見繕ってくれたもの。

 ふわふわした雰囲気の黄緑色のドレスで、腕やスカートのフリル部分が透ける生地で作られている。

 髪も、新さんが手配してくれたスタイリストさんがしてくれて、初めて編み下ろしに挑戦してみた。

 仕上げに薄いメイクや白のヘアクリップも付けてもらって、自分が自分じゃないみたい。

 それなのに思いの外動きやすくて、気分は上々だった。

「私、パーティーとか初めてです……。あの、何か気を付けていたほうが良い事ってありますか?」

 新さんはこの会場に来る前に、何度か社交パーティーに参加した事があると教えてくれた。