【side神菜】

「わっ……凄く綺麗っ……。」

「空衣もかなり大きな財閥だからだろうな。このくらいの豪邸を他二十ほど所有しているらしいしな。」

「そ、そうなんですね……やっぱり、凄い……!」

 ほわーっと口を開けてしまうくらいな豪邸が、今私の目の前にある。

 白を基調としていて、外国にありそうな洋風の館……みたいなもの。

 大きさは、右左と見ていかないと全て分からないくらい。

 ここは天さんが持っている、別荘の一つらしい。

 そんなところにどうして、私と新さんが居るのかと言うと……。



 夏休みに入る前日、おもむろに天さんからこう言われた。

『神菜ってそういえば、社交パーティーとか出た事ないよね?』

『はい、そういう界隈にも全然詳しくないです。……どうしてそんな事、聞くんですか?』

 パーティーみたいな豪勢なもの、私とは無縁だしもちろん何にも分からない。

 だから純粋に気になった。何で天さんがそんな話をしてきたのかが。

『そりゃー……神菜に今度、神々とパーティーに参加してもらおうと思ってるからね。』