最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 それは以前、欲しいと零したもの。

 神菜にだけ、言ったものだった。

 懐かしむように、神菜は瞼を閉じて影を落とす。

「創さん、前に政府に来てくれた時言ってましたから……こんなもので、良かったですか?」

「……覚えてて、くれたんですね。」

『草薙さんって、何かを欲しいと思った事はありますか?』

『まぁ……実用的なバッグはあまり持っていないので、欲しいとたまに思うくらいですね。』

 どのくらい前だろうか、まだ神菜が政府の鳥籠に入っていた頃の事。

 その一瞬だけだったのに、未だに覚えていてくれたなんて。

 ……けれど、神菜はここに編入した時、僕のことを覚えていないみたいだった。

 それなのに、どうして覚えて――。

「私、以前創さんと政府で会った事あるんですよね。最近になってふっと思い出したんです。ごめんなさい、今まで忘れてしまっていて。」

「いえ……神菜さんが謝る事ではないです。本当に、ありがとうございます……。」

 嬉しい。他の誰でもない、神菜が僕の為にくれたって事実が。