最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「明李君。」

「……どうしたの。」

「何でずっと、下向いてるの?」

「……。」

 痛いと感じるくらい、下唇を噛む。

 そんなの言えない。例え神菜にだって、弱音を吐くわけにはいかない。

 しかも今の顔なんて……見せられるわけが、ない。

「明李君、私のほうを見て。」

「……無理、今はできない。」

 一つ、雫が零れる。

 頬を伝って流れたそれは、コンクリートの地面に小さな丸い染みを残した。

 それで神菜も気付いたんだろう、僕が酷い顔をしてるって事に。

 だから今は、落ち着くまでそっとしておいて……。

 ……そう思うのに、神菜はほっといてくれないらしい。

「悲しい事がある時はね、泣いていいよ。一人じゃ落ち着けないから、私を頼って。」

「……っ、それじゃ、迷惑にっ――」

「ならない、そんなの気にしないで。だって明李君、今すっごく苦しそうな顔してる。嫌な事と悲しい事は吐き出して。」

「……いい、の?」

「いいよ。私で良いなら、どれだけでも話聞くよ。」

 はっとして顔を上げれば、優しく微笑んでくれる神菜を視線が絡む。