うーん、新さんは何を考えているんだろう。

 彼女のくせにって思われるかもしれないけど、こればっかりは本当に分からない。

 それにいつもより、新さんが緊張してる……?

 ふっとそう考えるも、とりあえず新さんについていく事にした。



 新さんに手を引かれて、校内へと入っていく。

 どこに向かってるんだろう……?

 今は私服だから、このまま校内に入ってもいいのかと心配にもなる。

「あの、新さん……どこへ向かっているんですか?」

 流石に尋ねてみようと考えついて、口を開く。

 不思議な気持ちが拭えなくて、確かな答えを求める。

 なのに新さんは、意味深な言葉を返してきた。

「着いたら分かる。もう少しで着くからな。」

「……そ、そうなんですか?」

「あぁ。」

 何だか曖昧な答え……。

 どうして新さんがこんなにも言葉を濁すのかは、さっぱり見当がつかない。

 何かを意図的に隠しているように、私は感じるけど……。

 勘で思うだけじゃダメなのは分かっているけど、今は自分の勘を頼りにするしかない気がする。