……もう、ゆとりちゃんったら何を言ってるんだろう。

　そんな事、できるわけないじゃん。

　かっちゃんには新さんっていう、お似合いすぎる人が居るんだから。

　アピールなんてしちゃったら怒られるだろうし、そもそも僕が入る隙なんてないからアピールするだけダメ。

　僕はこうやって、幸せそうな二人を見守りたいんだし。

　新さんが戻って来たらしく、嬉しそうに頬を緩ませているかっちゃんが視界に入る。

　その笑顔は僕と居る時の何倍も幸せそうで、やっぱり無理だって思った。

　……絶対幸せにならなきゃ、許さないからね。

　心の中で静かに、消えゆくように呟く。

　尊敬している大好きな二人のあの幸せは、誰にも壊させない。

　これが僕なりの忠誠心の表し方、だからね。