最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 厄年……初めて聞いたな。

 十五年間犬族だけど、そんなものがあるなんて……恐ろしすぎるだろ。

 しかもそれが今年だとか、怖すぎる。

 ましてや、犬族に限定されるなんて。

 瞬く間に不安になり、ぐっと下唇を噛み締める。

 そんな俺に神菜はいつもの屈託のない笑顔で、こう言ってくれた。

「心配しないでっ。病気になってる人全員を治療できたら、厄年の影響が今後出ないように魔力かけてみるね! だから……そんな悲しそうな顔、しないで?」

「神菜……さんきゅ。」

「えへへっ、どういたしまして!」

 どこまでも……お人好しだな、こいつは。

 だから守ってやらないと、と思ってしまうんだ。

 でも実際、守られてるのは俺のほう。何にもできていないのが現実。

 ……そんなの、悔しすぎる。

 こんな俺が神菜を手に入れようとか、無謀すぎる話だ。

「それじゃあ、私行ってくる! 早く皆さんを治さなきゃっ!」

 そう意気込む神菜は、この上なく活気に満ちている。

「神菜。」

「うん? どうしたの――って、うやっ。」