念を押すようにして言うと、疾風君はどこか参ったようなため息を吐きながら。

《……それなら、ちょっと話聞いてくれないか?》

「うん、もちろんっ!」

 むしろ、もっと頼ってほしいくらいだし!

 疾風君は私にとって、大切な親友だもん。何かがあったら助けたいって思っちゃう。

 何でもどんどこい!といった気持ちで、じっと疾風君の言葉を待つ。

 電話越しで、何度か狼狽えているような声色で口ごもっていた疾風君。

 だけど催促だけはしたくなくて、ただひたすらに待っていた。

《……頼む。俺らを救ってくれないか!》

 そして数十秒後、懇願するように言われた言葉。

 救って……って、やっぱり何かあったんだ……!

 瞬時にそう感じた私は、メモを取る体制に変えて詳しい事を聞いてみる。

 そうすると疾風君は事細かに、何があったかを教えてくれた。

《実は……俺ら犬族全体の問題なんだが、最近変な流行り病があるらしくてな……。俺も電話とかだけでしか状況は分からなかったし、親父もかかってるっていうから……それが犬族一帯にだけっていうのが特に心配でさ……。》