【side神菜】

　ふぅ……やっと今日の分の宿題終わったぁ……。

　うーんと背伸びをしてから、ふわぁ……と軽めの欠伸を零す。

　今日は、新さんとは一緒に居ない。

　理由としては、いつものお仕事じゃなくお父さんと会う為らしい。

　たまにそうやって、二人でおでかけする事があるらしい。

　何でも、そうしなきゃダメらしい……。

　もし断ったら、新さんのお父さんの機嫌を損ねてしまうんだとか。

　それが面倒らしい新さんは、夕方までには帰ってきてくれる旨を私に言ってくれておでかけしに行った。

　だから、今日は暇。

　もう私は魔術師のお仕事をしていないし、宿題意外にする事がない。

　どうしようかなぁ、小説でも読んで気でも紛らわせようかな……。

　おもむろにそう思いついて、よいしょっとと椅子から立ち上がりかけた時だった。

　――プルルルッ

「わっ……！」

　突然、机の上に置いていたスマホが着信を知らせてきた。

　つい驚いて肩を揺らしてしまうも、すぐに手に取る。

　あれ、疾風君だ……。