「待って待って……これ、あたしたちが作ってるやつよりも綺麗なんだけど……。」

「というか母さんたちがプロデュースしてるものよりセンス良くない? 普通に欲しいレベル……。」

「これがあの元宮神菜が作ったものとか……一個貰っちゃダメかな?」

 そりゃあそうだ。こんなレベルの高いものを目の当たりにして、この反応にならないほうがおかしい。

 だけど、流石に依頼されたものだから貰うのは良くないと思うなぁ……あはは。

 ……でも、姉たちには悪いけど僕は先輩から一個貰った。

 余分に貰っていたパーツで先輩が作ってくれて、その一個を記念としてくれたんだ。

 それはネクタイピンで、アクアリウムみたいな透明感がある代物。

 水色と白で統一されたこのネクタイピンは、絶対内緒。

 僕だけの秘密で、僕だけの宝物だから。