今の関係が僕にとっては、とても大切にしたいものだから。

「先輩こそ、何かあったらすぐ相談してくださいねっ? 先輩は頑張りすぎちゃうので、僕心配なんですっ。」

「そ、それはごめんね……! で、できるだけ頑張るよっ。」

「ふふ、約束ですよ?」

「うんっ!」

 こんなのはただ単の、口約束に過ぎない。

 けれど……僕は先輩の笑顔だけで、救われる。

 先輩の笑顔が見られるなら、ただの後輩でもいい。

 先輩が満面の笑みでハンドメイドを再開しているのを見て、僕はふっとバレないように頬を緩めた。

 誰よりも尊敬してる先輩にしか、笑顔は見せません。

 先輩が笑ってくれるなら、癒しになれているのなら、僕はいつまでも笑ってます。

 ……神菜先輩の前でだけで出る、自然体の笑顔で。

 考え出したらきっと途方もない事を、その時僕は考えていた。



 後日、無事全てのアクセサリーを完成させる事ができたらしい姉たち。

 でも依頼者に渡す前に神菜先輩が作ってくれたのを見せたら、呆気に取られていた。