最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 ちっ……超、厄介なんだけど。

 でも神菜の前で黒い本性を見せるわけにもいかず、にこにこと作り笑いをする。

「相変わらず神菜さんのことになると懸命ですね。笑えてきますよ、エルフ族ともあろうお方が。」

「それはそっちも言えてるでしょ。というか、お前のほうがどす黒いと思うけど。」

「勝手に言っててください。事実なので。」

 後ろから追いかけてくるように声をかけてきたのは、神菜のストーカー。

 簡単に言うと……草薙だった。

 皮肉と嘲笑ったような感情がこもっている言葉を飛ばされ、吐き捨てるように返す。

 僕はまだマシだと思う。草薙のほうがよっぽど、ヤバいじゃん。

 狂愛とも言える愛を持ってるあいつは、僕にとっても神々にとっても危険人物。

 神々は……草薙が神菜に話しかける事さえ、許したくないだろう。

 なんてったって草薙は……強引に神菜に迫ったんだから。

 似たような事をした事がある僕が言えた義理じゃないけど、神菜の気持ちを無視するなんて最低。

 僕だって昔は盲目で、神菜の気持ちを大事にできなかった。