最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

「うん、その調子だよ。」

 夕弥さんに言われるとおりに竹刀を振ると、乾いた音が道場内に響いた。

 う、意外と難しいなぁ……。

 初めて竹刀を握って振るから手も震えているし、定まりにくい。

「神菜、やっぱりちょっと難しい?」

 それに気付いたらしい夕弥さんが、柔らかな笑みで尋ねてきてくれる。

 だから正直に頷くと、不意に手首を握られた。

 へっ……?

「最初から一人で振るのは難しいよね。俺もそうだったし。サポートするから、ゆっくりやっていこうか。」

「……で、でもこの体制は……」

 今の体制は、あまり良くない。

 なんてったって……ほとんど、夕弥さんに抱きしめられているような状況だから。

 両手首を握られていて、私の背後に立っている夕弥さん。

 距離も近くて、反射的に声を上げてしまった。

「……あの、この体制はダメ、です。」

 抱きしめられてはいないといえ、ここまで距離が近いのは良くない。

 私には新さんが居る。だから、新さんを裏切るような行動はしたくない。