最強さんは魔術少女を溺愛したい。【Extra】 ~魔術少女は溺れるほどに甘く愛される~

 楽しみ……って言うよりかは、ストレス発散だけど。

 でもそうしなきゃ、いつかは限界が来る。

 たまに毒抜きしなきゃ、簡単に脆くなっていく。

 天界族たるもの、隙は見せられない。

 元々天界族が希少な種族って言うのも、今は相まっているんだろうと思う。

 そして俺は……天とは違う、悪魔族に部類される。

 完璧な善人には、決してなれない。なろうとは、何度か思った事はある。

 だけどやっぱり、少なからず性根が腐っているらしい。

 偽る事しかできない“偽善者”でしか、俺は生きていけられないから。

「はぁ……やっぱり今日は暑いな。」

 片手に竹刀を握り、額から顎にかけて伝う汗を手の甲で雑に拭う。

 肩で少々荒い呼吸を繰り返してから、俺は軽く休憩を入れた。

 ここは誰も来ない、静かな秘密基地。

 学園の外れにあるこぢんまりとした道場で練習台に向かって、乾いた音を竹刀で響かせる。

 これが俺の、ストレス発散方法。

 剣道を幼い頃から教わっていたからか、昔から竹刀を握るのが好きだった。