「美味しいっ……。」

 あぁ、神菜はやっぱり可愛い。

 お菓子を口いっぱいに頬張る神菜を見て、自然と頬が緩んでしまう。

「うわ、キモ……。」

 おかげで咲空にはキモがられてるけど、そんなのどうでも良い。

 今僕の視界には、神菜しかいない。

 それに、キモいって言うなら……神々もそうじゃん。

 神々があんなにだらしなく頬を緩ませて、愛おしそうに神菜を見つめている。

 それが堂々とできる事実に、僕はイラつかずにはいられなかった。

 本当なら、僕が神菜の隣に立ってたのに……。

 神菜の隣。そのポジションは、自分自身の過ちによって壊された。

 だから少しでも罪を償えるように……今回の誕生日パーティーを計画した。

 神々はすっごく嫌そうな顔をしていたけど、無理やりにでも押し切ったんだ。

 多分、神々からしたら自分の恋人を狙っている輩ばっかりのところに居させたくないんだろう。

 その嫉妬心だけは、理解できるよ。

 でも僕はそれを目的にして、計画をしたんだから。