「どういう分際で言ってるのかなさとり族。どうせ、君も同じようなものでしょ。」

「それでも、来栖さんみたいな非道徳的な輩ではありませんので悪しからず。」

「……ぶっ飛ばされたいの?」

 な、何だかバチバチしてる気が……?

 風羽さんと明李君の間に火花が見えるような気がして、慌ててしまう。

 け、喧嘩は良くないっ……!

「喧嘩しちゃダメですよ……? 怪我しちゃったら、危ないですし……。」

 どうしてバチバチしてるのかは分からないけど、怪我だけはしてほしくないっ……!

 そんな思いで訴えてみる。

 すると二人とも聞いてくれたのか、ほぼ同時に視線をお互い逸らした。

「神菜に感謝する事だね、さとり族。」

「そっちこそ。僕がブチ切れる前で良かったですね。」

 まだバチバチしちゃってるけど、さっきよりは全然マシ。

 だけど思ったよりも疲れてしまい、一息つく。

 そんな私に背後から、成生さんが苦笑しながら声をかけてくれた。

「大変だね、神菜ちゃんは。いろんな奴らから愛されてて、疲れちゃうでしょ。」