今日は何だか、新さんがそわそわしている気がする。

 夏休みに突入して、一週間ほど経ったこの日。

 ――7月31日。

 今日は特に何もない日にも関わらず、新さんの様子が変だ。

 どこが変なのかは、いまいち分からないけど……。

 無表情だから、基本的に感情が読みにくい新さん。

 でも今日は、そわそわと落ち着きがなさそうな事だけは分かった。

 お昼になる一時間半前、新さんのお部屋で二人きり。

 そろそろお昼ご飯の用意するかなぁ……そう考えて、立ち上がろうとした時だった。

「なぁ、神菜。今から出かけるが、大丈夫か?」

「へっ……?」

 出かけるって、どこに……?

 びっくりして新さんのほうを見る。

 すると私の視界には、やっぱり何かを気にかけているような表情の新さんが入った。

 いつもの新さんらしくないな……どうしたんだろう?

 不思議に思いながらも、用事はないから首を縦に振る。

「はい、大丈夫ですよ?」

「なら良かった。じゃあ、行くか。」

 何かを企んでいそうな、そんな新さんの声色が聞こえる。